日本画の改革者 山口蓬春展 伝統とモダンの融合 神奈川県立近代美術館 葉山
《扇面流し》 1930年 山口蓬春記念館蔵
《南嶋薄暮》 1940年 山口蓬春記念館蔵
《浜》 1950年 個人蔵
山口蓬春・略年譜

1893年

10月15日、北海道の福山(現・松前町)に生まれる。
1923年 東京美術学校日本画家を首席で卒業
1926年 第7回帝展で〈三熊野の那智の御山〉が特選となり、皇室買い上げ。
1930年 福田平八郎、木村荘八、横川毅一郎らと「六潮会」を結成。
1942年 大東亜戦争美術展に〈香港島最後の総攻撃図〉を出品。
1947年 第3回日展に〈山湖〉を出品。
1948年 前年、山形から引き上げ、葉山堀内に仮住まいし、この年の3月、葉山町一色三ヶ岡の邸宅(現・山口蓬春記念館)に転居。
1960年 第3回新日展に〈宴〉を出品。
1965年 文化勲章受章
1971年 5月31日、死去。
   大正15年、第七回帝展に『三熊野の那智の御山』を出品し特選を取り、その後も大胆かつ明快な画風で新しい日本画を生み出した日本画家山口蓬春 (1893年-1971年) の回顧展を開催いたします。山口蓬春は、大正・昭和と激動の時代に、清新でモダンな日本画を次々と制作してゆきました。とくに戦後すぐに葉山三ヶ岡に居を構え、この地から代表作を世に送り出したのでした。当館と山口蓬春との関係は開館当初にさかのぼり、美術館運営委員として当館の事業に参画しています。1956年には有島生馬との2人展を開催し、1984年には、当館に山口蓬春文庫が寄贈されたのを記念して、鎌倉館と鎌倉別館で山口蓬春展が開催されています。今回の展覧会は、山口蓬春の旧居 (現在の山口蓬春記念館)の近くに当葉山館が開館して3年目に当たる2006年の秋に、山口蓬春記念館とともに、当館と生前深いかかわりのあった山口蓬春の芸術を回顧し、さらに現代にとっての蓬春芸術の意義を問い直そうとするものであります。
   現代日本画に大きな足跡を残した山口蓬春は、はじめ油絵画家を目指しますが、すぐに日本画に転向し、伝統的な日本画を継承する新興大和絵会に参加します。多くの古典から学んだ成果として生れたのが、帝展特選さらに皇室買い上げとなった《三熊野の那智の御山》(1926年) です。その後、日本画家と洋画家、美術評論家が共同してグループを結成した「六潮会」に参加し、新しい絵画を生み出そうと模索します。戦中の戦争記録画《香港島最後の総攻撃図》(1942年)を描き、終戦を迎えた山口蓬春は、さらなる新日本画を追求し、《山湖》(1947年)《浜》(1950年)《夏の印象》(1950年)といった傑作を描き出し、日本画壇にモダニズムの清々しい新風を吹き込みました。その間の1947年に、山口蓬春は、葉山町に転居し戦後の傑作を次々と生み出してゆきました。そして、日本の四季を象徴的に描きあげた《春》《夏》《秋》《冬》の四部作 (1961-65年) 、続いて皇居新宮殿杉戸絵《楓》(1968年)を制作するなど晩年にいたるまで、その制作意欲は衰えを見せませんでした。
   今展では、山口蓬春の初期から晩年までの作品約115点を展示いたします。各時代の代表作のみならず、初期の油絵や山口蓬春の制作活動の裏面を垣間見せてくれる習作スケッチや摸写などもあわせて展示いたします。なお、当館から徒歩3分のところに位置する山口蓬春記念館では、「葉山に開花した山口蓬春の芸術−友情に結ばれた画家と建築家」展を開催しております。あわせてご覧くださいますようご案内申し上げます。
 
 
関連プログラム
講演会(要申込)
第1回   11月19日(日曜) 「山口蓬春の人と芸術(仮題)」
  講師:草薙奈津子氏(平塚市美術館長)
第2回 12月2日(土曜) 「昭和という時代と蓬春(仮題)」
  講師:井上研一郎氏(宮城学院女子大学教授)
時間 各日とも午後2時〜4時
場所 神奈川県立近代美術館 葉山 講堂
定員 各回70名(申し込み先着順)
申込方法 希望の参加日・参加者の氏名・住所・電話番号・ファックス番号を明記の上、各講演会の8日前までにファックスでお申し込みください。
申込み先 神奈川県立近代美術館 葉山
〈山口蓬春展講演会〉係
FAX 046-875-2968
ギャラリートーク
10月25日(水曜)、11月22日(水曜)、12月20日(水曜)
各日とも午後2時〜午後2時30分
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