日本画変革の先導者 玉村方久斗展 神奈川県立近代美術館 鎌倉
《手工卓静物》 京都国立近代美術館 1943年
《猫》 京都市美術館 1928年
   大正・昭和に活躍した前衛日本画家玉村方久斗(善之助/1893-1951)は、最初日本美術院に出品し頭角を現しました。しかし、より新しい日本画の表現を求めて日本美術院を脱退し、さらに「第一作家同盟(D・S・D)」、「三科造形美術協会」、「単位三科」などの前衛運動に身を投じていきます。当時の前衛運動はほとんど洋画家たちによって推進されたと言っていいなかにあって、玉村方久斗は一人、前衛的な日本画の世界を切り拓いていきました。この時期、玉村方久斗(善之助)は、立体造形の前衛的な作品(現存せず)を発表し、さらに前衛的な雑誌『エポック』や『ゲエ・ギムギガム・プルルル・ギムゲム』の創刊にかかわりました。また、版画の制作も精力的に行い、その多彩な創作活動振りを発揮しています。一方では、今回80数年ぶりの本格的な公開となる九巻の画巻による大作《雨月物語》(1923-24)や《保元物語》などのシリーズで独自のグロテスクで諧謔的な画風を展開して、斬新な日本画を描きつづけました。そして新しい日本画を広めようとする玉村方久斗は、自ら「方久斗(ホクト)社」を結成して、同志とともに発表の場をつくりだし、キャッチボールをする親子を描いた《休日》(1931)のように生活断片を描いた作品や生活感情を重んじた日本画をも制作しました。
   本展では、波乱万丈な芸術的生涯を断片的にしか知られてこなかった玉村方久斗(善之助)の芸術の全貌を、約150点の作品と雑誌などの資料を通観することによって明らかにしようというものです。

会期中展示替があります: 前期11月3日~11月25日、後期11月27日~12月16日
《野火》 京都国立近代美術館 1943年
《書斎》 秋田県立近代美術 1931年
《春雷山雨将来之図》 京都国立近代美術館 1943年
関連プログラム
講演会「父・玉村方久斗のこと」
     講師:玉村豊男(エッセイスト・画家)
日時 2007年11月8日(木曜)
午後1時から2時(開場12時30分)
会場 神奈川県立近代美術館 葉山 講堂
*この講演会は鎌倉ではなく葉山での開催となります。ご注意ください。
(〒240-0111 神奈川県三浦郡葉山町
一色2208-1)
定員 70名(申込先着順) 参加無料
申込方法 参加者の氏名・住所・電話番号・ファクス番号を明記のうえ、11月1日(木曜)までにファクスでお申し込みください。
申込み先 神奈川県立近代美術館 葉山
「玉村豊男講演会」係
ファクス 046-875-2968
 
ギャラリートーク
 11月18日(日曜)、 12月2日(日曜)
各日とも午後2時から
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