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『白樺』誕生100年 白樺派の愛した美術 会期は2009年11月3日(火曜祝日)から12月20日(日曜)まで 展覧会内容詳細はこちら




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休館日

月曜日(ただし11月23日は開館)、11月4日(水曜)、11月24日(火曜)

開館時間

午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)

観覧料

一般 1000円(団体900円)
20歳未満・学生 850円(団体750円)
65歳以上 500円
高校生 100円

  • 団体料金は20名様以上から適用されます。
  • 中学生以下の方、障害者の方はすべて無料です。
  • 11月3日(火曜・祝日)は葉山館無料招待日
    どなたでも無料でご入館いただけます。
  • 「ファミリー・コミュニケーションの日」
    毎月第1日曜日(今回は12月6日)は、18歳未満または高校生以下のお子様をお連れのご家族の方は、全員無料でご観覧いただけます。

主催

神奈川県立近代美術館
読売新聞社
美術館連絡協議会

協賛

ダイワボウ情報システム
ライオン
清水建設
大日本印刷

協力

調布市武者小路実篤記念館
県立神奈川近代文学館

企画協力

ティー・シー・ディー

優待のご案内

葉山館有料観覧券(65歳以上券、高校生券をのぞく)をご提示いただきますと、同展会期中に限り、下記の施設に優待料金でご入館いただけます。
神奈川県立近代美術館 鎌倉(電話:0467-22-5000)
葉山しおさい公園(電話:046-876-1155)
山口蓬春記念館(電話:046-875-6094)


「秋の神奈川再発見キャンペーン」参加イベント

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『白樺』第1巻第1号、1910年、個人蔵

オーギュスト・ロダン《ロダン夫人》
ブロンズ 1890-1891 年 
大原美術館寄託(白樺美術館より永久寄託)
白樺美術館第第4 ~ 6・8 回展覧会 (1912 ~1913・1918年)出品
『白樺』第3巻第2号掲載

オーブリー・ビアズリー
《オスカー・ワイルド『サロメ』の挿図のための素描集》
「挿絵一覧表のデザイン」 
ラインブロック印刷・紙 1907年 
日本民藝館
白樺主催泰西版画展覧会(1911年)
白樺主催第5回美術展覧会(1912年)出品
柳宗悦旧蔵

梅原龍三郎《黄金の首飾り》
油彩・カンヴァス 1913年 
東京国立近代美術館
白樺主催梅原良三郎油絵展覧会(1913年)出品

岸田劉生《静物(湯呑と茶碗と林檎三つ)》
油彩・カンヴァス 1917年
大阪市立近代美術館準備室
白樺十周年記念主催岸田劉生作品個人展覧会(1919年)出品

岸田劉生《武者小路実篤像》
油彩・カンヴァス 1914 年 
東京都現代美術館
白樺十周年記念主催岸田劉生作品個人展覧会(1919 年)出品
武者小路実篤旧蔵

白樺派の愛した美術
 明治時代末から大正時代にかけて、20世紀の初頭には、ヨーロッパの芸術に新しい生を見出して激しい憧れと熱い思いをたぎらせた新世代の人びとが数多く登場します。なかでも、雑誌『白樺』を刊行した青年たちは、自分たちが愛着を寄せる美術をその誌上に熱心に紹介し、数々の展覧会を開いて、美術の魅力を広く訴えかけていきます。彼らの西洋への憧憬は、同時代の人びとを深く揺るがせて、その後の日本の文学や美術を方向づけていきました。
 雑誌『白樺』の誕生100年を迎える今年、その同人たちや『白樺』に関わった人びと「白樺派」が、その時代に何を刻印し、私たちの時代に何を残響させているのかを改めて考えてみようというのが、本展覧会の趣旨です。
 『白樺』の活動は、文芸と美術の領域を中心に展開されました。本展覧会では、美術に焦点を絞り、白樺派がどのような美術家を紹介し、どのような視点から西洋美術への共感を示したか、そして彼ら自身がどのような美術を生み出したかを、実際の作品を通して見るとともに、資料によって白樺派の幅広い活動を探っていきます。有島生馬(1882-1974)、志賀直哉(1883-1971)、武者小路実篤(むしゃこうじさねあつ:1885-1976)、木下利玄(きのしたりげん: 1886-1925)、児島喜久雄( こじまきくお:1887-1950)を始めとする同人たちは、『白樺』に携わった後も、それぞれに個性的な仕事をしたことは言うまでもありません。しかし、本展覧会では創刊(1910/明治43年)から終刊(1923/大正12年)までの、美術の領域での彼らの活動と時代との関わりを振り返ります。展覧会は、「第Ⅰ章 西洋美術への熱狂」、「第Ⅱ章 白樺派の画家たち」、「第Ⅲ章 理想と友情を求めて」の3章で構成されます。
 ルノワ-ル、ロダンら何人もの西洋の画家や彫刻家は、『白樺』によって日本で初めて本格的に紹介され、共感の波紋を一挙に広げました。西洋美術に対する今日の私たちの愛着の根は、まさしく『白樺』の時代に発しており、私たちの美術観にも彼らの視点がずいぶん反映されています。その時代を探り楽しむことは、私たちの文化の成り立ち、感性の仕組みを考えることにほかなりません。

第Ⅰ章 西洋美術への熱狂
  『白樺』誌上に紹介された西洋の美術家たちは、同人たちの鋭い嗅覚で選ばれていきました。武者小路実篤はオーギュスト・ロダンについてこう言っています。「自分は、真に生き、真に個性を発揮し、自然の命ずるままに生き、そうして遂に自然と合奏することを得た人としてロダンを崇拝する。」
 白樺派は西洋美術にすぐれた芸術を見たばかりではなく、人間の行き方の理想的な姿を求めていきました。彼らが見出した美術家たちは、芸術に生涯をかけた情熱的な人間として『白樺』誌上に登場します。その情熱は若い世代の読者にすぐさま伝わり、『白樺』は大正時代の美術を燃え立たせる炉床の一つとなっていきます。そして西洋の近代美術といえば、私たちがまず思い浮かべるフィンセント・ファン・ゴッホ、ポール・セザンヌ、オーギュスト・ルノワールらの美術家像は、『白樺』が作り出したイメージに今でも色濃く染められています。
  この章は、ロダン、セザンヌ、ウィリアム・ブレーク、マックス・クリンガー、オーブリー・ビアズレー、ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ、トゥールーズ=ロートレック、フランシスコ・デ・ゴヤ、エドヴァルト・ムンクなどによる『白樺』誌上を飾った作品を中心にして構成されます。その中には白樺美術館の建設を目指して集められたロダンの彫刻など、同人たちの手で日本に残された数々の作品が含まれます。

第Ⅱ章 白樺派の画家たち
 フランス留学中にヨーロッパ美術の新しい動向を目の当たりにして、自身の絵画を豊かにした有島生馬は、帰国するとすぐに『白樺』に参加して、セザンヌの紹介などに文筆を振るいました。彼はまた画家として、自身の展覧会を白樺主催で開きます。この章では、有島生馬のように同人でもあった画家、また、白樺主催の展覧会に登場し同人たちと活発に交流した、梅原龍三郎(1888-1986)、岸田劉生(1891-1929)、南薫造(みなみくんぞう:1883-1950)、山脇信徳(やまわきしんとく:1886-1952)、白滝幾之助(しらたきいくのすけ:1873-1960)、バーナド・リーチ(1887-1979)、藤島武二(1867-1943)たちの当時の出品作を中心に展示します。
 これらの作品は、多くの場合彼らの画家としての自己形成期に生み出され、彼らが西欧からの刺激に感動しつつ熱心にそれを消化していくさまを生き生きと明かしてくれます。
 こうした白樺派の画家たちは、大正時代の美術が新たな方向で切り開かれていく上で、きわめて大切な役割を担いました。白樺派が残してくれた果実は、今なお豊かな味わいを保ち、彼らが理想と希望を抱いて生きた時代を語りつづけています。

第Ⅲ章 理想と友情を求めて
 『白樺』同人たちは、志賀直哉、武者小路実篤、児島喜久雄、木下利玄、郡虎彦(こおりとらひこ)、正親町公和(おおぎまちきんかず)、園池公致(そのいけきんゆき)、有島武郎、有島生馬、里見弴(さとみとん)、柳宗悦(やなぎむねよし)、長與善郎(ながよよしろう)など、学習院出身の人びとが中心になっていました。その後活動を重ねるとともに『白樺』に関わる人びとは増え、多彩になっていきます。
 同人たちは、美術に強い関心を持って絶えず誌上に美術関連の記事を書くと同時に、小説、詩、戯曲、文学評論などを発表します。志賀直哉、武者小路実篤、長与善郎らは小説家デビューを『白樺』誌上で果たしました。彼らの関心は、さらに演劇、音楽、科学にも広がり、演劇公演、コンサート開催も含めて、さまざまな活動が展開されました。
  この章では、絵画作品ばかりでなく、展覧会のポスターや目録などの印刷物、写真、手書きの原稿や日記、書籍など、数多くの資料を交えて、白樺主催の展覧会、白樺美術館建設の夢、文芸領域の活動の一端、友情と交友の様子など、いくつかの側面から、白樺派が掲げた理想、共有された夢がどのようなものであったかを考え、彼らの活発な交流が新しい時代の潮流を作っていった有様をたどります。


講演会「『白樺』とその時代」

講師 山梨俊夫(当館館長)
日時 11月3日(火曜・祝日、葉山館無料招待日 )
午後2時~4時
会場 神奈川県立近代美術館 葉山 講堂
定員 先着70 名(予約不要)、無料
 

県立機関活用講座 連続講演会(全5回)


第1回 『白樺の挿絵』 ─マネ、セザンヌ、ルノワール、ヴァロットン─
日時 : 2009年 11月7日(土曜)
講師 : 島田紀夫 (ブリヂストン美術館 館長)

第2回 梅原龍三郎と白樺
日時 : 2009年 11月28日(土曜)
講師 : 嶋田華子 (梅原龍三郎・木下利玄曾孫)

第3回 『或る女』と『暗夜行路』 ─ 「白樺」・非「白樺」
日時 : 2009年 12月5日(土曜)
講師 : 紅野敏郎 (早稲田大学名誉教授)

第4回 資料に見る「白樺派の愛した美術」
日時 : 2009年 12月12日(土曜)
講師 : 福島さとみ (武者小路実篤記念館 首席学芸員)

第5回 フォーゲラーからロダンへ

日時 : 2009年 12月19日(土曜)
講師 : 山田俊幸 (帝塚山学院大学教授)

時間 すべて午後2時~4時
会場 神奈川県立近代美術館 葉山 講堂
定員 各回70名(申込先着順)
受講料 各回1000円(全回5000円)
※1回~5回の任意の回数で申込み可能
※受講料は受講日ごとに、会場受付にて現金でお支払いください。
※全5回の講演のうち、4回以上受講した方には修了証を差し上げます。
申込
方法
FAX、または往復はがきに次のことを明記してお申込みください。
1. 受講希望の回(例:第1回と第3回・・・)
2. 氏名(ふりがな)
3. 郵便番号、住所
4. 電話番号、FAX番号
申込
締切
各講座の1週間前(定員に達し次第締切)
申込先 〒240-0111 三浦郡葉山町一色2208-1  
神奈川県立近代美術館 管理課「県立機関活用講座」係
fax. 046-875-2574
 

担当学芸員によるギャラリートーク

日時 11月15日(日曜)、 11月29日(日曜) 
午後2時より
会場 神奈川県立近代美術館 葉山
予約不要、無料(ただし「白樺派の愛した美術」展の観覧券が必要です)

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