展覧会

企画概要
「羅生門」「鼻」「蜘蛛の糸」をはじめとする数々の名作を世に送り出し、今もなお幅広い世代に愛される小説家・芥川龍之介(あくたがわ・りゅうのすけ/1892–1927)。芥川は作品や書簡等においてしばしば美術に言及し、その文学と美術への関心の高さは、彼が師と仰いだ夏目漱石(なつめ・そうせき/1867–1916)と共通しています。一方、菅 虎雄(すが・とらお/1864–1943)は、芥川の第一高等学校時代のドイツ語の教師であるとともに、漱石を禅に導いた人物でした。本展では、芥川の遺稿である「或阿呆の一生」を導入に、芥川、漱石、菅の三人の交流関係に着目しながら、古今東西の芸術に関心を寄せ、自らの文学世界にもそれらを取り込んだ芥川龍之介とその眼をとおした美の世界を紹介します。
展覧会の見どころ
1.文豪たちの直筆原稿類
漱石、芥川の初版本のほか、彼らの直筆原稿や、漱石、菅、芥川がやり取りした手紙などの貴重な資料を全国各地の文学館の協力により展示します 。
2.芥川と漱石を結ぶ菅 虎雄という存在
夏目漱石の友人であり、第一高等学校の名物教師として芥川にドイツ語を教え、また、書家でもあった菅 虎雄。芥川が初めて出版した『羅生門』の題字は菅によるものでした。鎌倉に長く暮らし、多くの文士と交流した菅の書家としての側面にも焦点をあてます。
3.芥川が愛した芸術世界
芥川は機会をとらえて美術鑑賞や観劇に出かけました。古今東西の芸術に幅広く関心を寄せた芥川の美意識を刺激した美術作品を紹介します。
開催概要
- 会場
- 神奈川県立近代美術館 葉山(展示室1、2、3a)
- 会期
- 2024年2月10日(土曜)–4月7日(日曜)
[1期:2月10日(土曜)–3月10日(日曜)/2期:3月12日(火曜)–4月7日(日曜)]
- 休館日
- 月曜(2月12日を除く)
- 開催時間
- 午前9時30分 – 午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 観覧料
- 一般1,200(1,100)円
20歳未満・学生1,050(950)円
65歳以上600円
高校生100円
*()内は20名以上の団体料金です。*中学生以下の方と障害者手帳等、ミライロIDをご提示の方(および介助者原則1名)は無料です。*「芥川龍之介と美の世界 二人の先達─夏目漱石、菅 虎雄」展の観覧券で、同日に限りコレクション展「木茂(もくも)先生と負翼童子」をご覧いただけます。*ファミリー・コミュニケーションの日(毎月第1日曜:3月3日、4月7日)は、18歳未満のお子様連れのご家族は割引料金(65歳以上の方を除く)でご覧いただけます。また同日は会話を楽しむ日「オープン・コミュニケーション・デー」となりますので、小さなお子様連れの方も、遠慮なくご覧ください。*その他の割引につきましてはお問い合わせください。*最新情報と来館に際してのお願いは美術館ウェブサイト等を確認してください。
- 県立美術館・博物館の割引
- 下記美術館・博物館の有料観覧券の半券提示で、観覧料が割引になります(入館日から6か月以内、半券1枚につき1回限り有効)。
同じ施設へも適用可能です。一部の展示を除き、65歳以上の方と高校生の割引適用はありません。詳細は各施設にお問い合わせください。
•近代美術館 葉山
電話:046-875-2800
•近代美術館 鎌倉別館
電話:0467-22-5000
•金沢文庫
電話:045-701-9069
•歴史博物館
電話:045-201-0926
•生命の星・地球博物館
電話:0465-21-1515
- 近隣館との相互割引
- 1)下記の施設の当日観覧券(招待券を除く)・年間入館券(有効期限内)をお持ちの方は、葉山館の企画展観覧料に割引が適用されます(1枚につき1回限り有効。65歳以上券を除く)。また、葉山館の企画展の有料観覧券(65歳以上券、高校生券を除く)の半券提示で、会期中の同日に限り下記の施設に割引料金でご入館いただけます。【当館のコレクション展観覧券には適用されません。】
•葉山しおさい公園
電話:046-876-1140
•山口蓬春記念館
電話:046-875-6094
2)下記の施設の観覧券半券(観覧日から6か月以内)・年間パスポート(有効期限内)をお持ちの方は、当館の観覧料に割引が適用されます(1枚につき1回限り有効。65歳以上券を除く)。また、当館の有料観覧券の半券(観覧日から6か月以内)を下記で提示いただくと観覧料に割引料金が適用されます。【当館のコレクション展観覧券にも適用されます。】
•茅ヶ崎市美術館
電話:0467-88-1177
作品紹介
-
芥川龍之介《水虎晩帰之図》
紙本墨画
日本近代文学館 -
芥川龍之介「或阿呆の一生 三十四 色彩」草稿
1927年
山梨県立文学館 *1期 -
菅 虎雄『羅生門』題字(試し書き)
1919年 紙本墨書
日本近代文学館 -
菅 虎雄《我鬼窟》
1919年 紙本墨書
山梨県立文学館 *2期 -
夏目漱石《山上有山図》
1912年 水彩・紙
岩波書店 *1期 -
津田青楓《漱石と十一弟子》
紙本著色
くまもと文学・歴史館
©Rieko Takahashi *2期 -
オディロン・ルドン《若き日の仏陀》
1905年 油彩・カンヴァス
京都国立近代美術館 -
小杉未醒《水郷》
1911年 油彩・カンヴァス
東京国立近代美術館 -
中原悌二郎《若きカフカス人》
1919年 ブロンズ
新潟大学
- 同時開催
- コレクション展「木茂(もくも)先生と負翼童子」詳細を見る