The Museum of Modern Art, Kamakura & Hayama
現代の日本版画展
 
作品:冬枯
南桂子《冬枯》
1960年


版画は彫刻や洋画・日本画と並んで、当館の収集・展示活動の根幹をなしています。北方ルネサンスをはじめとする西洋版画、中国の近代木版画、そして日本の近現代版画に大別できる収蔵作品は、美術館の活動の歴史を反映するものと言えるでしょう。本展覧会は、コレクションから41名の77点を選び、葉山館での「もうひとつの現代展」と相補するかたちで、戦後の日本版画の流れを概観してみようとするものです。



20世紀後半の日本美術で逸早く世界的な評価を得たのが版画であったことは広く知られています。浮世絵に代表される木版画の伝統と、明治期以降の創作版画運動や海外留学による銅版画の習熟といった革新を礎に、1950年代の海外国際ビエンナーレで、銅版画の駒井哲郎や木版画の棟方志功、斎藤清らが、相次いで受賞したのです。本展の出品作家の多くが、こうした国際展、また57年から79年まで開催された東京国際版画ビエンナーレで活躍しています。
60年代以降、シルクスクリーンや写真製版といった技術が普及すると、そのクールな作風に惹かれてさまざまなジャンルの作家たちが版画を手がけました。現在は、技術・技法の展開が版画の概念そのものにも変容を迫っている時代と言えるでしょう。
そうしたなかで、敢て版画の独自性を追求する「版画家」の表現が、いかなる展開を重ねて今日に至っているのか、個々の作品を通して辿っていただければ幸いです。
   

主な出品作家
池田満寿夫  (1934-1997) 一原有徳  (1910-) 加納光於  (1933-)  
駒井哲郎  (1920-1976) 斎藤寿一  (1931-1992) 清宮質文  (1917-1991)  
浜口陽三  (1909-2000) 浜田知明  (1917-) 秀島由己男  (1934-)  
深沢幸雄  (1924-) 南桂子  (1911-)    

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