アンテスとカチーナ人形展 神奈川県立近代美術館 葉山
《日付絵画 93年5月10日・11日・12日・13日・14日…》
1993年
シュプレンゲル美術館蔵、ハノーファー
《人物 眼人間》
1959/60年
シュプレンゲル美術館蔵
ハノーファー
《ナバホの家(87/44)》
1987年
渡井康之蔵
《ホピの年》
1980年
いわき市立美術館蔵
横顔を描いた頭部とたくましい脚部からなる、原始人でも未来人でもある〈頭足人〉像。ドイツの巨匠ホルスト・アンテスの作品には、キュビスムからの影響やアフリカ彫刻に見られるプリミティヴな表現が取り入れられながらも、あらゆるカテゴリーから免れて独自の世界が創り出されています。その独特な存在感は、欧米だけではなく私たち日本人の心もつかみ、広く日本でも公私にわたり優れた作品が収蔵されています。
1936年にドイツのヘッペンハイムに生まれたアンテスは、カールスルーエ美術アカデミーに学びました。1959年、第1回パリ青年ビエンナーレで注目を浴びてからの活躍はめざましく、ドクメンタ、ヴェネツィア・ビエンナーレ、グッゲンハイム国際美術展等に参加、次々と受賞を重ねて20代にして著名な芸術家となりました。
また、彼は芸術家であると同時に、プリミティヴ・アートのコレクターとしても知られており、特に北米のプエブロ・インディアンの「カチーナ人形」は約800点と、世界最大のコレクションを誇っています。
第1部では、アンテスの仕事に多大な影響を与えたカチーナ人形を彼のコレクションから79点を厳選して紹介します。また本展第2部では、国内で所蔵されているアンテスの秀逸な作品の数々の他にドイツのシュプレンゲル美術館のコレクションを加え、油彩、版画、立体など60点でアンテスの芸術世界を回顧します。いずれも日本で初めての本格的な展覧会となり、それらを同時に展示することで芸術家とその制作の着想源との関係を検証するという新しい試みです。   
アンテスの作品とプエブロ・インディアンの人形との出会い。本展は両者の精髄に触れる貴重な機会となることでしょう。

演奏する吉村弘
「a sound and art exhibition 吉村弘展
…耳からの風景」
会場〈神戸・ジーベック〉にて、2001年
撮影:高嶋清俊
同時開催 神奈川県立近代美術館葉山 第4展示室 吉村弘の世界 音のかたち かたちの音
当館サウンド・ロゴの作曲家であり、環境音楽の草分けとして音楽ばかりでなく、パフォーマンス、サウンド・オブジェの創案、著作の執筆など幅広い活動をした吉村弘(1940-2003)の多面性を紹介します。回顧展であると同時に、その歴史性ばかりでなく、現代性も際立たせます。雲のモビールを拡大リメイクし、エントランス・ホールに飾り、「演奏」させる作品がエントランスに展示される予定です。図書室ではパソコンで吉村弘の世界に親しんで頂くことができます。
初期のコンクリートポエトリー、楽譜、写真、映像作品、映像記録、オリジナル楽器、おもちゃピアノ、雲のモビール、天体のオブジェ、波を反射させる作品などが展示されます。自在で、開放された音と造形の世界に親しんで頂ける絶好の機会となるでしょう。

主催:神奈川県立近代美術館
協力:株式会社 ジーベック、センチュリー・リーシング・システム株式会社

 関連プログラム  
KOTO VORTEX記念演奏会 
7月9日(土) 午後5時から 葉山館展示室
※演奏会は無料ですが、本展観覧券が必要です(午後4時30分までにお求めください)

記念講演会 
講師:ホルスト・アンテス氏(通訳付き)「私のふたつの作品について」
7月10日(日) 午後2時‐4時 葉山館講堂 無料
定員:70名(要申込)
氏名・住所・電話番号・ファクス番号を明記の上、7月5日(火)までにファクスをお送りください。
FAX: 046-875-2968 神奈川県立近代美術館「アンテス氏講演会」係宛

担当学芸員によるギャラリー・トーク
7月23日(土) 8月6日(土) 8月20日(土) いずれも午後2時から

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