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美術の流れを見ると、そしてひとつひとつの作品をじっくり見ていくと、そこからはさまざまな事柄が浮かび出してきます。作品そのものを味わい、また作家の考えや生き方に共感する享受の仕方のほかにも、美術の楽しみは多様に広がっているものです。 この展覧会「時代と美術の多面体―近代の成立期に光をあてて―」は、作品を透かして見えてくる時代の容貌、他の芸術分野と美術との関わり、さらには作品に込められた作家の思いなど、作品が語りかけることに耳を傾けながら、いくつかの切り口をもうけて、時代と美術が織りなす相を観察していこうとの意図のもとに構想されています。また書籍資料や解説なども加えて、近代という時代と美術とがどういう絡み合いを見せ、どんな断面を輝かせているかを楽しもうというものです。その切り口として、8つのテーマを立て、主として明治末から昭和初めにかけての日本近代の成立期を中心に、美術に現われた多彩な諸相をうかがいます。 第1章:技法・材料から見た近代日本の油絵 第2章:人体表現―萬鉄五郎《日傘の裸婦》をきっかけとして 第3章:名山から神格化へ――富士山描写の展開 第4章:静物―断片という全体 第5章:都会のモンタージュ 第6章:見出された青春像 第7章:東アジアへの眼 第8章:モダニズムの詩と造形
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