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休館日
月曜日(ただし3月20日は開館)
開館時間
午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
観覧料
一般250(150)円
20歳未満と学生150(100)円
65歳以上と高校生100円
同時開催の「1950年代の日本美術」展をご覧の方は、同展の観覧券で同日に限り「コレクション展3」もご覧いただけます。
※( )内は20名以上の団体料金です。
※中学生以下と障害者手帳等をお持ちの方(および介助者原則1名)は無料です。
その他の割引につきましてはお問い合わせください。
※ファミリー・コミュニケーションの日: 毎月第1日曜日(今回は2月5日、3月5日)は、18歳未満のお子様連れのご家族は、割引料金(65歳以上の方を除く)でご観覧いただけます。
主催
神奈川県立近代美術館

マルク・シャガール《男と鏡に映るその姿》
(『ラ・フォンテーヌ寓話集』より)1927-30年制作/1952年刊
エッチング、紙
当館蔵(望月冨昉コレクション)
©ADAGP, Paris & JASPAR,
Tokyo, 2016, Chagall®G0707

上田薫《貝殻》1970年
油彩、カンヴァス
作家蔵

上田薫《ビンの底 A》1984年
油彩、カンヴァス
当館蔵

上田薫《流れ A》1991年
油彩、カンヴァス
当館蔵

上田薫《サラダ B》2007年
油彩、カンヴァス
当館蔵

草間彌生《Infinity》
1953-84年 エッチング、紙
当館蔵

長谷川潔《玻璃球のある静物》(『長谷川潔の肖像』より)
1963年 メゾティント、紙
当館蔵(美浦康重版画コレクション)

柄澤齊《クロノスの盃》
1979年 コラージュ、墨、ホワイト、紙
当館蔵(美浦康重版画コレクション)
展覧会概要
水面やガラス、シャボン玉……透明な「鏡」に映ろう像は、かすかに歪み、たえず揺らぎながら、時々刻々と変化しています。鏡の中のわたしは、いつも左右逆向きで、似てはいても同じではない、もう一人のわたしのようにも見えます。あたかも二枚貝のごとく、微妙にズレながら重なり合う実像と虚像。これら反映し合う像をイメージと呼ぶならば、イメージの根源とはまさしく「鏡の中」=「反映の宇宙」に潜んでいるのかもしれません。
本展では、上田薫(1928-)を特集します。1958年、南画廊での初個展以後、デザイナーとして活躍した上田は1968年頃から画家として活動を再開。なま玉子やスプーン、水の入ったガラスのコップといった日常的な「事物」を対象に、写真を用いた独自のリアリズムを確立させます。その創作世界は、いわゆる「スーパーリアリズム」で括られるものではなく、むしろ一見、写実的な描写の中に、するりとさりげなく射し込まれた「反映」にこそ作家の視線は向けられていました。
1990年代になると、対象は身近な「事物」から、自らを包み込む自然――水の流れや大気、雲など変幻自在な「現象」へと広がっていきます。川や空に無数の光が反射し、乱舞する刻一刻を鮮明に描いた画面は、きらめく壮大な鏡とも言えるでしょう。本展では、1970年代の作品からシリーズ〈流れ〉や〈Sky〉への展開、さらに最新作を含む約15点を通して、上田が追求してきた「反映の宇宙」を再考したいと思います。
また、当館の版画コレクションから約50点の作品を通して、反映のイメージをさぐります。版画は、その成り立ちにおいて原版と画像が反転することから鏡の反映と相通じます。長谷川潔(1891-1980)、浜口陽三(1909-2000)、丹阿弥丹波子(1927-)、草間彌生(1929-)、秀島由己男(1934-)、池田良二(1947-)、柄澤齊(1950-)らがモチーフとする鏡やガラス、水、貝殻、蝶などには、反映をめぐる版画ならではの眼差しがうかがえるでしょう。
1928年 | 東京都生まれ。 |
1954年 | 東京藝術大学油画科卒業。 |
1956年 | アメリカのMGM社ポスター国際コンクールでグランプリ受賞。 |
1958年 | 南画廊(東京)で初個展。以後、グラフィックデザイナーとして活躍。 |
1968年頃から再び絵画制作を始める。 | |
1970年 | 《貝殻》を制作。以後、シリーズ〈なま玉子〉〈シャボン玉〉などを発表。 |
1972-75年 | ジャパン・アート・フェスティバル展出品。75年、優秀賞受賞。 |
1975年 | 第11回現代日本美術展出品。東京国立近代美術館賞受賞。 |
1975-81年 | フマ・ギャラリー(東京)で個展。 |
1993年 | UCPギャラリー上田(東京)で個展。シリーズ〈流れ〉を発表。 |
2000年 | 光と緑の美術館(神奈川)で個展。シリーズ〈Sky〉を発表。 |
現在、鎌倉市在住。 |
関連企画プログラム
※いずれも展示室で開催。
※申込不要、参加無料(ただし、「1950年代の日本美術」展または「コレクション展3」の当日観覧券が必要です)。
※2月11日は午後2時より「1950年代の日本美術」展のギャラリー・トークを開催します。
■ 上田薫氏によるアーティスト・トーク
日時:3月11日(土曜)午後2時~3時
■ 学芸員によるギャラリー・トーク
日時:2月11日(土曜・祝日)午後1時~1時30分
3月5日(日曜)午後2時~2時30分
先生のための特別鑑賞の時間
第7回(初めての方歓迎!)
展覧会の鑑賞と学芸員の解説が中心の内容です。授業で子どもたちの鑑賞の能力を引き出すために、まず先生自身がゆっくり鑑賞し、感じたことや思ったことを話し合い、鑑賞の視点をみつけてください。
日時 | 3月4日(土曜) 午前10時~12時30分 |
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内容 | 「1950年代の日本美術―戦後の出発点」展と、同時開催「コレクション展3 反映の宇宙 特集:上田薫」展の鑑賞、担当学芸員による解説、鑑賞の授業案を話し合い、意見交換します。 |
対象 | 小学校・中学校・高等学校・特別支援学校・社会教育施設(公民館等)・教育委員会・学習支援を目的とする非営利団体等に所属し、現在教育活動に従事する方 |
申込方法 | 参加希望のイベント名(第7回先生のための特別鑑賞の時間)、氏名・所属(学校名など)、電話番号、FAX番号、メールアドレスをご記入のうえ、FAXまたは、神奈川県サイト内の「近代美術館への問合せ」フォームからお申し込みください。お申し込み確認後、美術館からご連絡いたします。 |
申込先 | 「第7回 先生のための特別鑑賞の時間」係 FAX:046-875-2968 ※FAXの誤送信にご注意ください。 「近代美術館への問合せ」フォーム |
申込締切 | 3月1日(水曜) |
※参加は無料ですが、事前のお申し込みが必要です。
詳しい内容についてはお問い合わせください。
「先生のための特別鑑賞の時間」申込みチラシ(PDF/144KB)