早川重章展 絵画・彫刻の実験、その終わりなき探求
伝説
1964年
油彩、キャンヴァス
1924年生まれの早川重章は、絵画を中心に立体作品も多数手がけ、ミニマル・アートや抽象表現主義など、さまざまな要素を批判的に咀嚼しつつ、独自の世界を築きあげてきました。とくに絵画作品における線のストロークは、わたしたちに描くことの原初的息吹を伝えてくるかのような比類なき魅力を湛えています。キャンヴァスに油彩というきわめて一般的な手法によって早川は、イマージュの森の中へ、ゆっくりと一歩一歩踏み入ってゆきます。そして平面から立体へ、立体から平面へという終わりのない反復の中から、今まで見たこともないような形態や、透明感あふれる色彩を出現させて、それらを無限の拡がりのなかへ解き放ってゆくのです。
 早川の絵と彫刻のあいだには不思議な呼応関係があります。画面にうごめく無数の線にも、立体作品に使われる布のしわにも、のびやかな愉悦が漂い、自在なる独自のリズムを生み出しています。早川の作品は、深い森の湖面のごとく静謐なものから、内的感情をダイレクトにキャンヴァスに移したものまで、千差万別の表情をもっています。しかしそれらは一貫して、画家の等身大の実感によって支えられてもいるのです。さまざまな視線が注がれるたびごとに、これらの作品群は、静かにそして力強く呼吸しつづけてゆくようです。
 現在も旺盛な制作活動を続ける早川重章、その60年代から近年までの代表作(油彩、素描、彫刻、レリーフなど約70点)を展覧いたします。
Work C-047
2003年  油彩、キャンヴァス
かたち−6
1998年  木
Work C-5
1990年 油彩、キャンヴァス  山梨県立美術館蔵
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