建築
葉山館は、日本で最初の公立近代美術館である「鎌倉近美」の活動実績を継承し、美術館に求められる新たな社会的役割に十分対応するため、もうひとつの拠点として構想されました。設計者は、プロポーザル指名によって選ばれた(株)佐藤総合計画で、平成9年度より設計を開始し、平成12年度にはPFI方式を導入して新築工事に着手しました。
設計にあたり、美術館を使う立場から学芸員が「ビルディングプログラム」を作成し、これを設計に反映させるため、調査設計の段階から美術館と設計者が意見交換と検討を積み重ね、平成11年度に実施設計をとりまとめました。工事段階においても、美術館、 設計者、施工者、事業者が協力して光環境実験を行うなど、設計機能の向上を図りました。
主な建築的特徴
建築データ
- 敷地面積
- 14,971.84m2
- 延床面積
- 7,111.51m2
- 展示室
- 1,297m2
- 収蔵庫
- 998m2
- 講堂
- 146m2
- 美術図書室
- 170m2
- 構造
- 鉄骨鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)
- 階数
- 地上2階、地下2階
- 設計
- (株)佐藤総合計画
- 施工
- 戸田建設(株)
- 竣工
- 2003年3月
葉山館に関する参考文献
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『建設技術者のためのPFI入門』 田中毅弘 (技術書院、2003年発行)神奈川県立近代美術館新館等特定事業の概要・当該事業におけるPFI事業者選定の流れ(落札者基準)について書かれています。
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『建築設計資料:102/美術館[3] - 多様化する芸術表現、変容する展示空間』建築思潮研究所編(建築資料研究所、2005年発行)21世紀はじめに建てられた美術館建築として葉山館がとりあげられています。図面のほか、目的や立地条件などについても書かれています。