異色作家シリーズファイブ 没後50年 佐藤哲三展
《アネモネ》1951年 個人蔵
  佐藤哲三は1910(明治43)年、新潟県長岡市に生まれました。若くして梅原龍三郎から高い評価を得て、独学ながら、画壇デビューを果たします。1930年にはスーチンあるいはファン・ゴッホの影響も見られるような太い線や、厚く盛られた鮮やかな色彩を特徴としながら、深い人間洞察も秘めた《赤帽平山氏》を描き、国画奨学賞を受けました。しかし、中央画壇での華々しい成功にもかかわらず、佐藤哲三は、故郷新潟に留まり、おのれの世界を深めつづけていきます。1939年結婚を機に移り住んだ新発田郊外の加治村では、農民の生活にモティーフを得て作品を描き、そこに生きる人々の心情や風景をうつしとりました。戦中には児童画教育にも熱心に取り組み、戦後から亡くなるまでの約10年間は、病をおして作品に向かい、蒲原平野を題材に《みぞれ》や《帰路》といった日本風景画史に記憶されるべき名作を残しますが、1954(昭和29)年、ついに病に打ち勝てず、郷里の新潟で44歳の短い生涯を閉じました。
  本展は、風土に根ざすとともに、世界的な視野にたって絵画制作と教育に邁進したその足跡を紹介することにより、佐藤哲三の芸術をより深く理解していただくよい機会になるものと存じます。
佐藤哲三 ポートレート 1939年
十万堂アトリエにて
《赤帽平山氏》 1930年 宮城県美術館蔵
《ひるめし時》 1932年 個人蔵
関連イベント
ギャラリートーク
2月26日(土曜日)、3月5日(土曜日)、12日(土曜日)
14時〜  会場:鎌倉館
ワークショップ「美は自然に学べ!2」
3月6日(日曜日)  会場:鎌倉館
問合せ  Tel.046-875-2800
同時開催 小関利雄と子供たちの世界 第2展示室にて
湘南を中心に戦後の造形教育に大きな足跡を残した小関利雄(1907-1989)の画業と教育者としての活動を小企画として紹介します。たんに絵画にとどまらず「造形」の世界の広がりを理論と実践の両面から追求したその業績は、いまなお芸術教育に関わる人々に大きな影響を及ぼしています。その多面的なしごとを油彩画、水彩画、記録映像、関連資料などによって展示いたします。
写真提供:小関利躬
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