展覧会
- 同時開催
- コレクション展「斎藤義重という起点―世界と交差する美術家たち」詳細を見る
吉田克朗展―ものに、風景に、世界に触れる
Yoshida Katsuro: Touching Things, Landscapes, and the World
企画概要
多摩美術大学で斎藤義重に学んだ吉田克朗(1943-1999)は、1969年から物体を組み合わせ、その特性が自然に表出されるような作品を制作し始めます。このような作風を示す動向は後に「もの派」と称され、国際的に注目を浴びることになりますが、吉田はその先鞭をつけた作家のひとりでした。やがて「もの派」の作風から離れた吉田は、1970年代から転写などの実験的な手法を試みながら絵画表現を模索しました。1980年代前半には、風景や人体を抽象化して描く〈かげろう〉シリーズ、1980年代後半からは、粉末黒鉛を手指でこすりつけて有機的な形象を描く〈触〉シリーズを発表し注目を集めますが、惜しくも55歳で逝去しました。
本展は、吉田克朗の全貌に迫る初めての回顧展となります。これまでほとんど紹介されてこなかった作品や、作品プランやコンセプトを綴った制作ノートなどの資料を、調査をもとに展示します。転換期を迎えていた同時代の美術動向に向き合いながら、自ら選択すべき道について真摯に問い続けた吉田克朗の制作の軌跡を辿ります。
展覧会の見どころ
1.吉田克朗の全貌に迫る初めての回顧展
代表的な立体作品、油彩、版画を網羅するとともに、重要なドローイング作品を取り上げ、作品・資料約170点、全5章の構成で吉田克朗の制作の軌跡を辿ります。
2.「もの派」時代の再検証
「もの派」の中心作家の一人だった吉田克朗。その初期作品《Cut-off (Paper Weight)》(1969年)、《Cut-off (Hang)》(1969年)を再制作し、作品プランやコンセプトを綴った制作ノートなどの資料とともに紹介し、吉田の「もの派」時代を再検証します。
開催概要
- 会場
- 神奈川県立近代美術館 葉山(展示室1、2、3a、4)
- 会期
- 2024年4月20日(土曜)– 2024年6月30日(日曜)
※一部展示替えあり
- 休館日
- 月曜(4月29日、5月6日を除く)
- 開催時間
- 午前9時30分 – 午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 観覧料
- 一般1,200(1,100)円
20歳未満・学生1,050(950)円
65歳以上600円
高校生100円
*()内は20名以上の団体料金です。*中学生以下の方と障害者手帳等、ミライロIDをご提示の方(および介助者原則1名)は無料です。*無料開館日:5月18日(土曜)国際博物館の日*「吉田克朗展―ものに、風景に、世界に触れる」の観覧券で、同日に限りコレクション展「斎藤義重という起点―世界と交差する美術家たち」をご覧いただけます。*ファミリー・コミュニケーションの日(毎月第1日曜:5月5日、6月2日)は、18歳未満のお子様連れのご家族は割引料金(65歳以上の方を除く)でご覧いただけます。また同日は会話を楽しむ日「オープン・コミュニケーション・デー」となりますので、小さなお子様連れの方も、遠慮なくご覧ください。*その他の割引につきましてはお問い合わせください。*最新情報と来館に際してのお願いは美術館ウェブサイト等をご確認ください。
- 主催
- 神奈川県立近代美術館
東京新聞 - 助成
- 出品協力
- The Estate of Katsuro Yoshida
東京都現代美術館
- 県立美術館・博物館の割引
- 下記美術館・博物館の有料観覧券の半券提示で、観覧料が割引になります(入館日から6か月以内、半券1枚につき1回限り有効)。
同じ施設へも適用可能です。一部の展示を除き、65歳以上の方と高校生の割引適用はありません。詳細は各施設にお問い合わせください。
•近代美術館 葉山
電話:046-875-2800
•近代美術館 鎌倉別館
電話:0467-22-5000
•金沢文庫
電話:045-701-9069
•歴史博物館
電話:045-201-0926
•生命の星・地球博物館
電話:0465-21-1515
- 近隣館との相互割引
- 1)下記の施設の当日観覧券(招待券を除く)・年間入館券(有効期限内)をお持ちの方は、葉山館の企画展観覧料に割引が適用されます(1枚につき1回限り有効。65歳以上券を除く)。また、葉山館の企画展の有料観覧券(65歳以上券、高校生券を除く)の半券提示で、会期中の同日に限り下記の施設に割引料金でご入館いただけます。【当館のコレクション展観覧券には適用されません。】
•葉山しおさい公園
電話:046-876-1140
•山口蓬春記念館
電話:046-875-6094
2)下記の施設の観覧券半券(観覧日から6か月以内)・年間パスポート(有効期限内)をお持ちの方は、当館の観覧料に割引が適用されます(1枚につき1回限り有効。65歳以上券を除く)。また、当館の有料観覧券の半券(観覧日から6か月以内)を下記で提示いただくと観覧料に割引料金が適用されます。【当館のコレクション展観覧券にも適用されます。】
•茅ヶ崎市美術館
電話:0467-88-1177
吉田克朗略年譜
1943年 埼玉県深谷市に生まれる。
1964年 多摩美術大学絵画科に入学。66年から斎藤義重教室に入る。
1968年 多摩美術大学卒業。「もの派」の動向の起点になったといわれている関根伸夫の《位相―大地》の制作を小清水漸とともに手伝う。
1970年 「第1回ソウル国際版画ビエンナーレ」(徳寿宮現代美術館)で大賞を受賞(出品作品:《Work "9"》ほか3点)。
1971年 今榘子と結婚。以後、死去するまで鎌倉を拠点に活動する。「第7回パリ青年ビエンナーレ」(パルク・フローラル)に選出され渡仏。
1973年 文化庁芸術家在外研修員として渡英。約1年間、ロンドンに滞在。
1986年 「前衛芸術の日本 1910-1970展」(ポンピドゥー・センター)に出品。
1988年 「もの派展」(ローマ大学付属現代美術館)に出品。
1992年 明星大学日本文化学部講師となる(1993年より教授)。「今日の作家たちⅣ- ‘92 山本正道・吉田克朗展」(神奈川県立近代美術館[旧鎌倉館]開催。)
1997年 武蔵野美術大学造形学部教授となる。
1999年 食道がんのため逝去(享年55)。
作品紹介
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〈触〉制作風景
1989年(撮影:馬場直樹)
©The Estate of Katsuro Yoshida / Courtesy of Yumiko Chiba Associates -
吉田克朗
1989年(撮影:馬場直樹)
©The Estate of Katsuro Yoshida / Courtesy of Yumiko Chiba Associates -
記録写真《Cut-off (Paper Weight)》
1969年 第4回ジャパン・アート・フェスティバルのコンクール審査(1969年、都立産業会館/落選)の際に撮影
©The Estate of Katsuro Yoshida / Courtesy of Yumiko Chiba Associates -
記録写真《Cut-off (Hang)》
1969年 個展(1969年、田村画廊)での展示風景
©The Estate of Katsuro Yoshida / Courtesy of Yumiko Chiba Associates -
吉田克朗《650ワットと60ワット》
1970年 コード、電球、鉄
埼玉県立近代美術館
©The Estate of Katsuro Yoshida / Courtesy of Yumiko Chiba Associates -
吉田克朗《Work "9"》
1970年 シルクスクリーン、紙
神奈川県立近代美術館
©The Estate of Katsuro Yoshida / Courtesy of Yumiko Chiba Associates -
吉田克朗《ロンドン 1 (Gunnersbury)》
1973年 フォト・エッチング、紙
東京都現代美術館
©The Estate of Katsuro Yoshida / Courtesy of Yumiko Chiba Associates
展示期間:4/20-5/26 -
吉田克朗《Work "D-197"》
1977年 転写、描画:アクリル、パステル、紙
The Estate of Katsuro Yoshida
©The Estate of Katsuro Yoshida / Courtesy of Yumiko Chiba Associates -
吉田克朗《Work 4-45》
1979年 転写:アクリル、カンヴァス
The Estate of Katsuro Yoshida
©The Estate of Katsuro Yoshida / Courtesy of Yumiko Chiba Associates -
吉田克朗《かげろう "婉-12"》
1986年 油彩、アクリル、カンヴァス
The Estate of Katsuro Yoshida
©The Estate of Katsuro Yoshida / Courtesy of Yumiko Chiba Associates -
吉田克朗《無題》
1986年頃 アクリル、黒鉛、木炭、透明メディウム、紙
The Estate of Katsuro Yoshida
©The Estate of Katsuro Yoshida / Courtesy of Yumiko Chiba Associates -
吉田克朗《触 "体-190 A & B"》
1992年 油彩、アクリル、黒鉛、マットメディウム、カンヴァス
神奈川県立近代美術館
©The Estate of Katsuro Yoshida / Courtesy of Yumiko Chiba Associates
関連イベント
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記念トーク「吉田克朗を語る」
日時 2024年4月20日(土曜)
午後1時30分-午後3時場所 葉山館 講堂 講師 小清水漸(こしみず・すすむ 彫刻家) 定員 60名(当日午後12時30分より講堂前で整理券を配布します) 参加 無料 -
担当学芸員によるギャラリートーク
日時 2024年5月11日(土曜)
午後2時から午後2時30分まで集合場所 葉山館 エントランス 申込 不要、参加無料。ただし高校生以上は本展の当日観覧券が必要です。 -
キミも克朗(かつろう)!
葉っぱをうつしとろう!葉山館で開催中の展覧会「吉田克朗展―ものに、風景に、世界に触れる」関連イベントとして、吉田克朗の技法を体験してポストカードをつくるワークショップを開催します!
日時 2024年5月18日(土曜)国際博物館の日 ※無料開館日!
午前10時から午後3時まで(最終受付午後2時30分)場所 葉山館 講堂 参加 無料 ※お申込み不要、時間内はいつでも、自由にご参加いただけます。汚れてもよい服装でお越しください。(小学生以下の方は、18歳以上の保護者同伴)
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座談会―吉田克朗と「もの派」
講師 平野到(埼玉県立近代美術館)、山本雅美(奈良県立美術館)、森啓輔(千葉市美術館)
*司会:西澤晴美(神奈川県立近代美術館)日時 2024年6月9日(日曜)
午後2時から4時まで場所 葉山館 講堂 定員 先着60名 申込不要、参加無料 葉山館で開催中の企画展「吉田克朗展―ものに、風景に、世界に触れる」に関連して、「座談会―吉田克朗と「もの派」」を開催します。
3名の講師をお招きし、吉田克朗のもの派時代について新たに分かったことや、他の作家との関わりなど、最新の調査動向を踏まえてお話しいただきます。
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担当学芸員によるギャラリートーク
日時 2024年6月16日(日曜)
午後2時から午後2時30分まで集合場所 葉山館 エントランス 申込 不要、参加無料。ただし高校生以上は本展の当日観覧券が必要です。