展覧会
鎌倉別館 2024年度
ゴヤ版画『気まぐれ』『戦争の惨禍』
鋭い眼差しで人間を描破し、近代画家の先駆と称されるフランシスコ・デ・ゴヤ(1746–1828)。スペインの宮廷画家として活躍するに飽き足らず、自らの創意を求めて版画に着手したのは40代後半、聴覚を失ってからのことです。本展ではゴヤの四大版画集のうち『気まぐれ』と『戦争の惨禍』を前後期に分けて全点紹介します。また、日本におけるゴヤの受容に関して、当館が開館以来開催してきたスペイン版画の展覧会を資料でたどります。
Image: フランシスコ・デ・ゴヤ 版画集『戦争の惨禍』1 ≪来たるべきものへの悲しき予感≫ 1863年(初版)当館蔵(後期展示)
鎌倉別館40周年記念
神奈川県立近代美術館の保存修復
コレクションをよい状態で保存し次の世代へ伝えることは、美術館の大切な役割のひとつです。私たちは作品を守る環境を整え、ときに手当てをしながら、未来に残す最善の方法を模索しアップデートを重ねてきました。本展では「てあて」「まもり」「のこす」の3つの言葉を手がかりに、作品の修復過程や修復に使う道具、作品を守りつつ展示するための工夫など、普段は見られない美術館の取り組みを紹介します。
Image: 修復作業イメージ(神奈川県立近代美術館) 撮影:佐藤克秋
小金沢健人×佐野繁次郎 ドローイング/シネマ
現代美術作家と当館所蔵作家から二人を特集し、一つの視点で読む展覧会。絵画から映像、立体まで多様な展開をみせる小金沢健人(こがねざわ・たけひと/1974– )と、独特の手描き文字と線画による装幀・挿画の仕事が油彩画と並び愛されている佐野繁次郎(さの・しげじろう/1900–1987)の仕事を紹介します。線でイメージを描き出す「ドローイング」は、カット/イラストレーションとどう異なるのか? イメージの連なりがもたらす動きの感覚とは? 美術家の手と眼が生む色・線・動きに着目し、平面表現の境界を探求します。
Image: 小金沢健人《ドローイング/シネマ(佐野繁次郎の素描に基づく変奏)》2023年 作家蔵